『ひと』塾とは

設立の趣旨
　現在の学校のシステムやあり方になじめない子供達一人一人のリズムや個性を尊重し、自己実現のできる機会を保障していきたい。

　「ひと」塾では生徒一人一人のペースに合わせ週にどれぐらい通学するか、何を学ぶかを本人が担当者と相談しながら主体的に決めた上で、学習を進め、その中で考える力をつけていきます。さらに、自宅での学習についての相談や支援も行います。また、進学,就職など何か明確な目標がある場合、それへ向かう学習についてのアドバイスを行うことも可能です。生徒の指導を担当する者は、20年以上県立高校の教師を勤めた後も、「ひと」塾を15年に渡って運営しており、不登校などの児童に対して学習面と生活面両方に適切なアドバイスが可能です。
　基本的に最初は少ない日数、短時間の登校から始め、なるべくゆっくりとしたペースから学習をはじめます。
　また、後に詳しく説明しますがここでの学習を通して日本の高校卒業資格を得ることもできます。

「ひと」塾の特色
・対象生徒は、不登校生徒及び高校中途退学者等、現存の県内の高校に通うのが困難な生徒。
・ひとりひとりの生徒にきめ細やかに対応するため、生徒をあまり増やしすぎない。
・暗記学力のみを要求しない。
・一人一人の生徒とその保護者に対するスクーリングと面接カウンセリングを通して、必要な場合には不登校生徒の人間不信の解消も目指す。
・同一教室内での学習活動や学校行事を行う人数を可能な限り少なく（最大５～６人程度）抑えることで、対人恐怖やパニック障害の傾向を持つ生徒の感じるストレスを低減させるよう配慮する。
・「早く早く」と急がせることや「頑張れ」という声かけを極力控える。
・必要以上に生徒を「比較」したり、「競争」させることで生徒のストレスを高めることがないように努める。
・太陽の下で農作業や自然の草花・樹木の栽培や手入れ等の作業を行うことで、生徒自身が本来持っているリズムの回復を図る。

教育目標
①　一人一人のリズムや個性を尊重した教育を目指す。
②　自ら学び、考え、行動できる「生きる力」を育む。
③　地域社会の中で、様々なハンディキャップを持った人とも協力・共生できる力を養う
④　表現力を高め、豊かな感性や想像力を育てる。

フリースクール　「ひと」塾からの生徒進路（2018年12月現在）

2018年12月までの23年で約140名の生徒が「ひと」塾に入塾した。

・残念ながら、経済的理由、就職、精神的理由で続けられなかった生徒もいるが、約100名が巣立って行った。その内訳は以下の通りである。
　　　　　　　　　　進学：50名（専門学校 10名、四年制大学 40名）
　　　　　　　　　　就職・他：約50名
　　　　　　　　　　中学校・高校復帰：５名

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　さくら国際高等学校との提携で
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　日本の高校卒業資格を取得できます

　「ひと」塾と同じ場所で運営されているNPO法人地域教育福祉会・花さき山は広域通信制の高等学校であるさくら国際高等学校の香川キャンパスとしての活動も行っており、最初にさくら国際高等学校に入学すれば、NPO法人地域教育福祉会・花さき山を通して、単位取得についての相談などのサポートを受けることで、さくら国際高等学校の卒業資格を得る事ができます。そしてそれとともに、「ひと」塾でのカウンセリングや補習学習を受けることによって、さくら国際高等学校の卒業資格を得ることが一層容易になり、次のステップである大学進学や就職への「人間力」など「生きた学力」を身につけることが可能になります。

１９５０年	１月２７日　生誕
１９７２年　３月	国際基督教大学社会科学科卒業
１９７５年　３月	同大学院教育学研究科（教育心理学専攻）修士課程修了
１９７５年４月　～　１９９６年３月	香川県立高等学校の教員として２１年間勤務・この２１年間、校務分掌として教育相談を担当し、不登校生徒及びその保護者などとの相談活動に携わった。・全日本カウンセリング協議会加盟の香川学校カウンセリング研究会及び香川カウンセリング研究会の役員を合わせて１０年あまり勤めた。・香川いのちの電話でスーパーバイザーとして発足当初から１０年余電話相談員の研修を担当した。・性格検定法「バウムテスト」の診断法について吉川公雄・林勝造両先生から指導を受け、吉川先生の研修と「香川バウムテスト研究会」の協力のもとそのコンピューター診断化に成功した。
１９９６年　５月	ワーカーズ・コレクティブ香川設立、ワーカーズ・コレクティブ香川代表として活動する。・２０１０年までに、その活動のひとつであるフリースクール「ひと」塾では、アメリカミシガン州のクロンララ校と提携し、これまでの１０年ほどで指導に携わった不登校生徒、学習困難性と及び高校中途退学者の人数は９０名余ほどになる。・この間に香川県丸亀市より委嘱を受け、心の相談員として丸亀市、観音寺市で不登校とカウンセリングについて講演したり、各適応指導教室などで市内の小中学校の教員、児童・生徒。保護者の相談に当たった。・その他、「２４時間テレビ」から寄贈を受けた福祉車両でお年寄りや車椅子の方の送迎ボランティア活動も行っている。・１９９８年には、NHK福祉財団よりワーカーズ・コレクティブ香川に対し、「わかば基金」を贈られる。
２００４年　９月	NPO地域教育福祉会・花さき山理事長に就任
２００６年４月　～　２０１８年１２月現在	NPO地域教育福祉会・花さき山が長野県上田市のさくら国際高等学校と提携し、さくら国際高等学校香川キャンパスとなり、生徒の指導などサポート活動にあたる。一方で、「ひと」塾は、それ以外の教科・生活指導や相談活動を担当している。